バルト三国旅行記(5) ~ タリン(エストニア)~

初めての秋の大型連休となったシルバーウィークも終わってしまいましたが、
連休明けの木曜日、金曜日あたりは通勤電車も少しすいていたような気がしました。
日曜日までお休みをつなげて、最大9連休を楽しまれた方も多かったのかもしれませんね。

大型連休は終わりましたが、10月、11月も祝日がありますので、
この秋は海外旅行のチャンスがいっぱい♪
ご旅行を計画される方はお早めにどうぞ!


さて、今回お届けする旅行記は、いよいよバルト三国の旅の最終回
エストニアの首都・タリンをご紹介します。

前回のラトヴィア・リーガも美しい街でしたが、
今も中世の城壁にぐるりと囲まれた旧市街をもつタリンも
美しい景観が自慢の街です。

また、タリンはバルト海をはさんでフィンランドの首都・ヘルシンキが目と鼻の先。
ヘルシンキからの日帰り観光も可能ですので、ヘルシンキとはまた違った魅力のある
この街を旅程に組み込んでみるのもオススメですよ♪


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2日前に到着したリーガのバスターミナルより、いよいよバルト三国、3ヶ国目となる
エストニアの首都、タリンを目指します。

ヴィリニュス、リーガ、タリンのバルト各首都間は、
鉄道は現在運行されていませんが、国際バス路線が充実しています。

ユーロラインズ(Eurolines)エコラインズ(Ecolines)といった会社が
バスを運行していますが、特にユーロラインズは、この路線に
LUX Express という新型の車両を導入していて、とても快適です。

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15時半にリーガを出発したバスは、エストニアの「夏の首都」と言われる
パルヌを経由し、20時にタリンのバスターミナルに到着しました。

エストニアの通貨はクローン(1エストニアクローン=約8.5円)です。
ターミナル内のATMでクローンを入手し、バスで旧市街へ向かいました。

バスターミナルは、旧市街の南東に位置しているため、
周囲を城壁で囲まれた旧市街へのアクセスは、南東のヴィル門からとなります。

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ヴィル門を抜けるとそこは中世の香り漂うタリン旧市街
石畳の道には車はほとんど入って来ず、通りは観光客でにぎわい、
通り沿いにはオープンテラスのレストランが軒を連ね、
それまで歩いていた新市街とは街の空気が一変します。

また、タリンの街では、いたるところで民族衣装を着た売り子さんたちを見かけるため、
観光客はまるで中世のテーマパークにでも来ているかような
楽しい雰囲気を味わうことができます。

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ヴィル門からの通りをまっすぐ進むと、旧市街の中心地、
威厳ある旧市庁舎(写真右手)と15世紀の建物に囲まれたラエコヤ広場に行き着きました。

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そのままラエコヤ広場近くのホテルにチェックインし、
エストニア料理の夕食をとり、この日は休むことにしました。

[エストニアの豚の煮凝り・スルトゥ]
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ちなみに、夕食後、やっと日の落ちた旧市街を少しだけ散策しましたが、
ぼんやりとした灯りに照らされた街並みもとても美しいものでした。

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さて、翌日は朝から観光です。
夜には船でヘルシンキに移動する予定ですので、主要なスポットをざっと見てまわります。

まずは、ラエコヤ広場に面して建つ、旧市庁舎を見学。
旧市庁舎の内部では、美しい色彩の柱が目を引く市民の間
市議会が利用した議会の間などを見ることができます。

[市民の間]
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[議会の間]
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また、旧市庁舎では、塔に登ることもできますが、塔の最上部は狭く、
金網越しの眺めとなりますので、期待するような景色を見ることはできません。

タリンでは、トームペアの展望台や、聖オレフ教会など、絶景が眺められるスポットが
ほかにもありますので、ここは無理して登る必要はないような気がします。


旧市庁舎をあとにし、次はそのトームペアに向かいます。
トームペアとはタリン旧市街の山の手地区で、下町に住んだ商人や職人などの
一般市民に対し、貴族が居を構えていた地域です。

トームペアは、旧市街のほかの部分より一段高くなった丘の上にあり、
旧市街を見下ろすような位置関係になります。

トームペアには、タリンの代々の支配者が住んだトームペア城
大聖堂(トームキリク)のほか、ネイツィトルンという四角い塔と、
キーク・イン・デ・キョクと呼ばれる丸い塔が建っています。

[トームペア城]
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[ネイツィトルン(左手前)とキーク・イン・デ・キョク(右奥)]
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また、ネイツィトルンから少し丘を下ったところには、
デンマーク国旗の起源とされているデンマーク王の庭があります。

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言い伝えによると、かつてエストニア人との戦いで窮地に陥ったデンマーク王が
この場所で神に祈ったところ、赤地に白十字の旗が舞い降り、
それに鼓舞されたデンマーク軍がタリンを攻略したとのことです。

ちなみにタリンの街の名は、Taani Linn (デンマーク人の城、の意)が
由来であると伝えられています。

また、トームペアには、タリンの街並みからはちょっと異質な印象を与える
帝政ロシアによって建てられたアレクサンドル・ネフスキー聖堂
トームペア城の目の前に立ちはだかっています。

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さて、トームペアで必ず訪れたいのは、
タリンの美しい城壁を一望できる展望台です。

トームペアには下町を見下ろす展望台がいくつかありますが、北端の展望台は、
三角屋根の塔城壁の「これぞタリン」という絶景を拝むことができるスポットです。

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タリンには、今も26もの城壁の塔が残っていると言われていますが、
その中にはユニークな愛称を持つものもあるんです。

1つは、トームペア城の裏手に、エストニアの三色旗を掲げて
スマートに建つのっぽのヘルマン
そして、もう1つは、旧市街の一番北に位置するスールランナ門の傍らに
建つ砲塔、その名もふとっちょマルガレータです。

写真をご覧いただければ納得されると思いますが、
こうしたユーモアあふれる名前がつくのも愛着があるからなのでしょうね。

[のっぽのヘルマン]
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[ふとっちょマルガレータ]
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さて、トームペアを下り、下町にあるスポットをいくつかまわってみることにします。

[トームペアから下町へと下るピック・ヤルク(長い足)通り]
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[建物が密集した旧市街の街並み]
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まず訪れたのは、聖霊教会

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こちらの教会では聖霊の降誕が再現された木彫りの彫像や、
桟敷席に描かれた57枚もの絵画貧者の聖書を見ることができます。

[聖霊の降誕を描いた木彫りの彫像]
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[貧者の聖書]
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次は、スールランナ門の近くに位置する集合住宅・三人姉妹です。
リーガの「三人兄弟」同様、並んで建つ姿が兄弟姉妹を連想させます。
なお、この三人姉妹は、現在ホテルとして営業中で、中世タリンの
建築様式に触れることができる貴重なスポットとなっています。

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最後に、旧市街でもっとも高い124メートルの高さを誇る塔を持つ
聖オレフ(オレヴィステ)教会をご紹介します。
この教会の塔は、15世紀には159メートルもあったと言われ、
当時は世界一の高さと評判だったそうです。

[ライ通りの先に姿を現した聖オレフ教会の塔]
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この教会には1つのエピソードがあります。
教会の建築の仕事を引き受けたオレフという名の巨人が、
莫大な報酬を要求する代わりに、もし教会が完成する前に彼の名前がわかったら、
報酬は1ペニーでいい、という条件を提示したそうです。

市民たちは必死に彼の名を探り、ついにオレフが最後の仕事、
塔の上の十字架をつけようかという時に、彼の名を突き止めます。
下から彼の名を叫ぶ市民の声を聞き、ショックを受けたオレフは、誤って転落し、
地面に打ち付けられた彼の体からは、1匹のヒキガエルと1匹の蛇が飛び出し、
体はすぐに石になってしまった、というものです。

このエピソードを元に作られたオレフの石像は、教会裏手で見ることができます。

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また、この教会に来たなら、塔の上からの景色は必見です。

[下から見ると、塔の上にいる人は豆つぶほどの大きさ...]
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[実際に登ってみると、せまい足場と意外に頼りない柵がスリル満点]
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タリンの街を覆う赤い屋根の家々や、城壁の塔、さらに、トームペアが
旧市街からは一段高くなっている様子が、ここからならはっきりわかります。

[城壁と塔の眺めもばっちり]
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[旧市街より一段高くなっているトームペア(右上)]
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タリンの旧市街をざっと見てまわり、夜にはヘルシンキへと移動しました。
タリンからヘルシンキへの船は、タリン港と市民ホール港の2ヶ所から出ていますが、
今回は市民ホール港から出る高速船・リンダライン(Linda Line)を利用しました。

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タリン⇔ヘルシンキ間は、リンダラインなら2時間弱。
市の中心に近いマカシーニターミナル(MakasiiniTerminaali)に到着します。

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食事でも楽しみながらゆっくり船旅を楽しみたいという方は、
タリン港から出るフェリーがオススメです。

ヘルシンキでは1泊しましたが、バルト三国の情緒あふれる雰囲気にどっぷり浸かった身には
開放的で洗練されたヘルシンキの街は、少々物足りなさが残りました。

ただ、大きな岩をくり抜いて造られたという通称「岩の教会」、
テンペルアウキオ教会は、いかにもデザイン大国・フィンランド、という感じで、
これまでバルト三国で見てきた教会とのあまりの違いが新鮮でした。

[教会とはとても思えない外観]
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[スタイリッシュなデザインと自然が融合した教会内部]
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その他のヘルシンキの街並みは、写真でのみご紹介させていただきます。

[エスプラナーディ公園]
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[マーケット広場]
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[ヘルシンキ大聖堂]
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では最後にタリンでの宿泊先をご紹介してこの旅行記を終わりにしたいと思います。

タリンで滞在したのは、ラエコヤ広場から徒歩30秒の
マーチャンツ・ハウス(Merchant's House)
その名の通り、中世の商人の住宅を改装したホテルです。

部屋はモダンな印象ですが、方向感覚がなくなってくるほど
入り組んだ通路や、地下のダイニングスペースもいい雰囲気。
立地、快適性、歴史的価値といずれも◎のホテルです。

[地下にある食堂]
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長々とお届けしてまいりましたバルト三国の旅行記ですが、
行きたいと思えるような場所はありましたでしょうか?

個人的には、今回訪れた街も、行くことができなかった街も
ぜひもう一度行ってみたいと思っています。

「バルト三国」というと、旧ソ連の国々という印象で、
なんとなく暗いイメージを抱きがちですが、実際は東ヨーロッパというよりは
街並みや雰囲気は、むしろ西ヨーロッパの国のようでした。

見どころもたくさんありますので、皆さまの今後の
ヨーロッパ旅行の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?


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バルト三国の旅、いかがでしたか?

リトアニア、ラトヴィア、エストニア、それぞれ異なる魅力がいっぱいですので、
どうせなら3ヶ国まとめて訪れたいところですが、
いずれか1ヶ所だけでも十分楽しめそうですね。

特に、ヘルシンキの間近にあるタリンや、ストックホルムからのフェリーもある
リーガなどは、他の都市とのセットで訪れてみるのもよさそうです。

ヴィリニュス、カウナスといった都市に加え、十字架の丘や、
海岸沿いには世界遺産のクルシュ砂州もあるリトアニアは、
どちらかというとゆっくり周遊してみたい感じです。

まだまだ日本では旅行先として一般的とは言えませんが、
他のヨーロッパ諸国にも決してひけを取らないバルトの国々、
ぜひ多くの方に訪れていただきたい地域です。
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by W_A_S | 2009-09-28 21:24 | 海外旅行  

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