バルト三国旅行記(3) ~ 陸路、ラトヴィアへ ~
2009年 09月 13日
欧州最大手のエールフランス-KLMによる日本航空への出資計画のニュースは、
航空業界にとって、とても衝撃的なものであったと思います。
交渉の行方によっては、航空業界の世界的な再編へとつながる可能性もある
この話題については、今後、弊社のメールマガジンでもお伝えする予定です。
さて、今回の旅行記ですが、バルト三国の旅も3回目に突入し、
この旅最初の訪問国リトアニアから、いよいよ2ヶ国目のラトヴィアへと移動します。
しかし、リトアニアの首都・ヴィリニュスから、次なる目的地、ラトヴィアの首都・リーガへは、
直行してしまうにはもったいない魅惑的な立ち寄りスポットがところどころに。。。
というわけで、今回は、途中の見どころに寄り道しながらの
1日がかりのリーガへの道中をご紹介いたします。
それではどうぞ♪
* * * * * * * * * *
ケルナヴェ夏至際の途中から降り出した雨は、夜が明けても降り止むことなく、
この旅では初めて雨の朝を迎えました。
結局、昨夜夏至際からヴィリニュスのホテルへ戻ったのは深夜の2時近く。
少々寝不足の朝ですが、今日はラトヴィアまでの長い移動がありますので、
寝坊するわけにはいきません。
と言いつつ、若干寝坊気味で、朝食を取る時間はなく、
なんとかシャワーを浴びて、慌しく荷物を詰めたところで、さぁ出発!
、、、といきたいところですが、その前に、ヴィリニュスで3泊お世話になった
ホテルについて、少しご紹介させていただきます。
今回滞在したホテル・ティルト(Hotel Tilto)は、
いわゆる高級ホテルと呼べるようなところではありませんが、新しく、清潔感のあるホテル。
シンプルなベッドルームだけでなく、水まわりもスタイリッシュで機能的、
お湯もしっかり出て、必要最小限のアメニティもなかなかGood♪
私はハチミツの香りのシャンプー(prijaというイタリアのメーカーのもの)が気に入り、
余った分もしっかり持ち帰ってきました。。。(笑)
レセプションには、リトアニアの若者が交代で、24時間いてくれるので安心。
朝食を取る半地下のスペースもいい雰囲気です。
また特筆すべきは立地の良さ。
旧市街の外側に位置していますが、大聖堂へは徒歩1~2分!
新市街のメインストリート、ゲディミノ通りとネリス川の間に位置し、
ショッピングをするにも、バス停に出るにも便利な立地です。
リトアニアは日本よりも概ね物価が安いですが、ホテルは日本並み。
特に旧市街やその周辺で、標準以上のホテルは、けっこういいお値段なので、
リーズナブルなこちらのホテルはなかなかオススメです。
というわけで、、、あらためて出発!
この日も前日のケルナヴェに続き、車での送迎を手配しました。
リーガへのルートは、まずヴィリニュスからリトアニア北部の中心地・シャウレイへ。
1つ目のスポット、シャウレイ近郊の十字架の丘に立ち寄り、さらに北へ。
ラトヴィアとの国境を通過し、ラトヴィア南部の街・バウスカに向かう途中にある
2つ目のスポット、ルンダーレ宮殿を見学し、バウスカへ。
バウスカで車とは別れを告げ、そこからバスでリーガを目指す、というものです。
今回、車の手配は、リトアニアの情報を現地から日本語で発信しているサイト、
リトアニアナビ(LiTabi)の観光・送迎サービスを利用しました。
インターネットが発達したこの時代にあっても、日本でリトアニアの詳細な情報を得るのは、
そう容易ではないのですが、リトアニアナビは、リトアニアへの旅行に関する情報だけでなく、
歴史、文化、そして、現地での生活についての情報も得られる貴重なサイト。
今回の旅行では、当初は公共の交通機関のみを利用する予定でしたが、
十字架の丘~ルンダーレ宮殿の移動手段が出発直前まで見つからず、
どうしたものかと思っていたところに、リトアニアナビの送迎サービスを見つけました。
ドライバーは、リトアニアナビの主宰者でロシア系のリトアニア人であるデニスさん。
リトアニアのバレーボール選手でもあるという長身の彼は、日本での滞在経験があり、
日本語でのコミュニケーションも問題なし。
今回は1人旅行でしたので、デニスさんと一緒にリトアニア、ラトヴィアの観光地をまわり、
いろいろなお話を聞くことができたことが、旅のアクセントとなり、新鮮な経験でした。
さて、車はまずヴィリニュスから一路、北部の地方都市・パネヴェジースへ向かいます。
ヴィリニュスからパネヴェジースまでは高速道路が整備されているのでスムーズ。
ヴィリニュスの街を出ると、草原や森の緑豊かな景観が続きます。
じつは、バルト三国には山と言えるような山がありませんので、
なだらかな丘に、川や湖、こんもりとした森が広がるわけですが、
その素朴な風景がじつに美しかったです。
まぁ感じ方は人それぞれですので、何の変哲もない草原と言ってしまえば
それまでなのですが、個人的にはとても心が癒される、素敵な景色でした。
パネヴェジースを通過してまっすぐ行くと、車での移動では最終の目的地となる
ラトヴィアのバウスカに到着するのですが、今回は手前で西へと進路を変え、シャウレイへ。
シャウレイでは、ラトヴィアの通貨・ラッツ(1ラッツ=約190円)に両替するため、
郊外のショッピングモールに立ち寄りました。
(当日は夏至の祝日であり、街の銀行が営業していないため。)
上記の換算レートを見て、お気づきの方も多いと思いますが、
ラトヴィアの通貨・ラッツは、なんと米ドルやユーロ、英ポンドよりもその価値が高い通貨です。
ラトヴィアの硬貨は、リトアニアのそれとよく似ていますが、
貨幣価値がまったく違いますので、ラトヴィアでの買い物のお釣りに
リトアニアの硬貨を返す、といった詐欺もあるようで、注意が必要です。
シャウレイ近郊では、スーパーマーケットにも立ち寄りました。
外国のスーパーマーケットはどこの国でも興味深いものですが、リトアニアも然り。
[種類豊富なチーズに・・・]
[魚の生け簀まで・・・!]
お菓子コーナーでは、トゲトゲした表面がなんとも不思議なお菓子、
シャコーティスを発見し、リトアニアのタバコとともにお土産に購入しました。
[シャコーティス]
シャコーティスは、リトアニアのバウムクーヘンと言われるお菓子で、
お祝いのときに食べられるそうです。
さて、シャウレイを過ぎると、目指す十字架の丘はもうすぐそこです。
シャウレイから北へラトヴィアへと続く道の右手に
丘への入り口を示す十字架を見つけたら、並木道に沿って右折。
[目印の十字架]
[十字架の丘へと続く並木道]
しばらく行くと、前方にちょっとした丘が見えてきます。
駐車場に車を停め、丘へと近づくと、おびただしい数の十字架が立つ
その異様な光景に圧倒されます。
ここはしばしば「十字架の国」とも称されるリトアニアの聖地とも言える場所で、
ソ連時代には、民族感情を高揚させることを嫌った中央政府によって十字架が撤去されたり、
さまざまな妨害があったにもかかわらず、そんな妨害の度に新たな十字架が持ち込まれ、
今もなお立てられる十字架の数は増え続けています。
[訪れたその日にもまた新たな十字架が]
丘の周辺には、観光客用にロザリオ(十字架に数珠がついたもの)などのグッズを売る
出店が並んでいますので、訪れた記念に十字架を残していくのもいいですね。
[丘を覆う十字架に、さらに鈴なりのロザリオ]
[ロザリオやキリスト像などを売る出店]
さて、十字架の丘を後に、次はいよいよラトヴィアを目指します。
ヨニシュキスという小さな街を過ぎると、国境はまもなく。
[十字架の丘からヨニシュキス方面へ]
それは、草原の中を続く並木道の先に唐突に現れます。
国境といっても現在は何のチェックもなく、ただ標識があるだけです。
景色もリトアニア側と基本的には変わらず、変わった点といえば、
リトアニアと比べ、道の舗装状態が悪くなるのと、道の両側に整然と並んでいた並木が
より自然の状態に近くなる、といった程度です。
[リトアニア側の景色]
[ラトヴィア側の景色]
シャウレイから一路北へと向かってきましたが、ラトヴィア側の国境の街・エレヤで
東へ方向を変え、次の目的地、ルンダーレ宮殿を目指します。
ルンダーレ宮殿は、「バルトのベルサイユ」とも呼ばれるバロック様式の豪華な宮殿です。
淡い色調の端整な外観も美しいのですが、なんといっても目を見張るのはその内部の装飾。
それぞれの部屋が鮮やかな色彩に彩られ、繊細なシャンデリアや、見事な天井画も必見です。
[ピンクの人工大理石の壁面に花々の装飾が美しい「バラの間」]
[椅子やカーテンまで水色で統一された「オランダの間」]
[宮殿の中心に位置するクールランド公の寝室]
[ひと際色鮮やかなクールランド公の謁見室(別名「赤の書斎」)]
[ヴィーナスとアドニスの神話が描かれた謁見室の天井画]
[廊下から部屋を眺めると、部屋ごとの色彩の違いがよくわかります]
[食堂として使われていたという「大理石の広間」]
[クールランド公夫人の寝室(奥に見えるのは秘密の隠し扉で通じていた公夫人のトイレ]
また、別料金となりますが、手入れが行き届いた見事なフランス庭園も
ここまで来たらぜひあわせてご覧いただきたいところです。
ルンダーレ宮殿は、ちょっとへんぴな場所にありますので、
正直そこまで期待していなかったのですが、行く価値あり(!)のスポットです。
高貴な貴族の世界を垣間見た後は、いよいよリーガへのバスが出るバウスカへ。
[バウスカへと続く道]
ついにヴィリニュスからの車での移動の終着点、バウスカへ無事に到着することができました。
ちなみにバウスカは、ムーサ川とメーメレ川に挟まれた場所に位置しており、
その2つの川が合わさる天然の要塞にバウスカ城が建っています。
[ムーサ川の対岸から見たバウスカ城]
現在は廃墟となっているこのお城ですが、
塔の上から自然豊かな周囲の景観を楽しむことができ、
ラトヴィア人だけでなく、リトアニア人の観光客も多いようでした。
[バウスカ城の横を流れるメーメレ川]
さて、お城の周りを散策したら、バスターミナルに戻り、
ここで1日をともにしたデニスさんとはお別れ、また元の1人旅行に戻ります。
[バウスカのバスターミナル]
リーガ行きのバスは30分おきくらいに出ていますが、満席で、立ち乗りの人もいるほど。
[リーガ行きのバス]
リーガまでは所要1時間半ほどですが、さすがに疲れてすっかり寝入ってしまいました。
目が覚めた頃には、悠然と流れるダウガヴァ川を渡り、まさにリーガに到着するところでした。
リーガのバスターミナルに到着すると、目の前に中央市場の巨大な建物が建ち並び、
バルト三国きっての大都市・リーガに着いたことを実感させてくれました。
次回は、バルト三国でもっとも都会的で洗練された街、リーガについてご紹介いたします。
* * * * * * * * * *
リトアニア・ヴィリニュスからラトヴィア・リーガへ、
道草しながらの移動の旅は、いかがでしたでしょうか。
ヴィリニュスからリーガへは、直通バスなら4~5時間で移動できますが、
せっかくならその途中の見どころに1つでも立ち寄ってみたいところです。
十字架の丘への立ち寄りなら、公共の交通手段(バス、もしくは、バス+鉄道)だけでも
十分立ち寄ることができますよ。
次回はいよいよバルト三国の旅も後半へ。
ラトヴィアの首都・リーガの旅行記をどうぞお楽しみに♪
# by W_A_S | 2009-09-13 23:46 | 海外旅行